-- リアフェンダーの錆対策 --



以前から耳にしていた、リアフェンダーに生じる錆。

うちのは平気じゃ〜と根拠のない自信を持っていたのですが、2015年、ついに発生してしまいました。

左リアフェンダーアーチの後方、矢印の部分に、直径8mmほどのわずかな塗装の膨らみを見つけました。
原因は、塗装の下に発生した錆穴のようです。

三次でのイベント前でしたが、急いでボディーショップでパテによる穴埋め補修をしてもらいました。

しかし、錆穴の周辺には、錆穴の何倍もの面積の錆が発生しているはずで、根本の対策をしないと再発は必至です。

ひとまず、錆びた部分を処理して、パネル内に水が浸入するのを止める方向で作業します。

ここの部分は、鉄板が3枚重ねになっています。

@がアウターパネル、Aがインナーフェンダー、Bが補強用と思しき小さなパネルです。



* 妙なフェンダーモールは無視してください。

タイヤハウスの内側から見ると、Aのインナーフェンダー、Bの補強パネル、Cのパネルの継ぎ目が交錯しています。

パネルの継ぎ目には、剥がす途中のボディシーラーが見えますが、元々あまり丁寧に塗られていない印象です。
右端の方にいたっては、もはやブチューと出しただけで、全く密着していません。

Cの字の右上付近の継ぎ目は、前に所有していたルーチェでは錆穴になりました。
3枚のパネルが交差する箇所なので、水が浸入すると厳しそうです。


矢印の鉄板の重なりが見える部分も、水が侵入しそうな隙間があります。

できる範囲でシーラーを剥がしました。

思っていたより薄い錆で一安心。

錆を大まかに取って…

ジンクリッチスプレー、プラサフの順に下塗りしました。


この程度の錆でしたら、鋼線のブラシで浮き錆を落として錆転換剤を塗るだけでも大丈夫かもしれません。

プラサフの表面が乾いたら、パネルの継ぎ目をシーリングしていきます。

変成シリコン(セメダインがおすすめ)を使えば、上塗りもできます。

アンダーコートを塗ってしまうと、下手なシーリングもごまかせます。

しかし、気がかりなのは、@とAの間の状態。

アウターパネルに穴が開くほど錆が進んでいるので、できるだけ湿気や錆を取り除いて、防錆剤を塗っておきたいところです。

ここにアクセスするには…

スペアタイヤの格納スペースから攻めます。

黄色の矢印のシーラーを、マイナスドライバーで掘り進んでいきます。

橙色の矢印のシーラーは、タイヤハウス内のパネルの継ぎ目の裏側にあたります。
タイヤハウス側が錆びていた場合、トランクルーム側からも対策をします。



黒いホースは、サンルーフのドレン用です。

奥の方は狭くなっているので、ピックを使います。

錆の付いたシーラーを、かなり取り除くことができました。

これで、パネルの間に残った湿気もトランクルームに抜けてくれそうな気がします。

仕上げの洗浄にパーツクリーナーを吹き込みたくなりますが、これはNG!
気化する際に結露が生じ、錆が進みます。進みました。

私は、エーゼットの長期防錆スプレーを愛用していますので、これを定期的に吹き付けることにします。


これにて、左リアフェンダーの錆対策は完了。

右側は、錆の事例を耳にすることがやや少ないので、こちらもまあ大丈夫じゃろ〜と思ってました。

ところが、いざ点検してみると内側のシーリングはかなり不適切。
水平部分のシールは、パネルに密着しておらず、錆が出ています。

逆に、右下のあたりは、ヘラで均され、みっちり密着しているので、錆とは無縁の状態です。

製造ラインでシールした人の、ちょっとした作業具合の違いで車の寿命が左右されていそう。

シーラーを剥がしたところです。

左側と異なり、Bの補強パネルは、Aのインナーフェンダーと、アウターパネルの間に一部挟まれる構造です。
Aのパネルの茶色く錆びているあたりまで、Bパネルが入り込んでいます。

この部分、水の溜まりやすいコーナーに継ぎ目があるので、シール不良だとかなり危険な気がします。

錆を落としてみると、インナーフェンダーのパネルはほぼ酸化鉄になっていました。

補強パネルとの間に錆が詰まっているので、インナーフェンダーのパネルを少し取り除きます。

もう少し広い範囲を取り除きたかったのですが、スポット溶接の箇所があったり、狭い場所だったりで難しいです。

さらに錆を落とすと、補強パネルはまだ貫通していないのがわかりました。

補強パネルに穴が開くと、アウターパネルが危なくなりそう。

下塗りし…

シーリングして…

アンダーコートを塗って完了です。

この作業、錆びる前にすべきでした。
ですが、錆びてしまった後でも、必ずやっておきたい作業のように思います。

フェンダー内がよく乾燥していないと作業に適しませんし、無理な体勢でタイヤハウスを覗き込みますので、危険かつ体力を消耗します。

同様の作業をされる場合は、輪留め、ジャッキスタンドを必ず用い、時間に余裕をもって行うのがお勧めです。