-- エンジンマウントの交換 --


古い車の場合、エンジンマウントを交換すると車体の振動が減り、快適性が向上するといわれます。

うちのルーチェももうすぐ18歳。走行距離も13万キロを優に超えています。
不快に感じるほどではありませんが、わずかに振動を感じます。そこで交換してみることに。

エンジンマウントの交換方法はおそらく整備書等にも書かれていませんので、現物を見て交換方法を考える必要があります。 しばらく脳内でシュミレーションをし、完遂の目処が立ったところで作業を開始しました。

外さなければならないナットは左図の1-6に示しているもの。
エンジン側ブラケット(39-021)とエンジンマウントを繋ぐ2と5は頭のサイズが17mm、それ以外は14mmです。
問題はナットを回す工具をどう入れるかという点と、エンジンをどう持ち上げるかという点にありそうです。 以下に作業手順を記します。

まずは車体をジャッキアップします。安全のため、ランプ(スロープ)を用いることをお勧めしますが、無い場合はジャッキスタンド等を使用してください。

次に、エンジンを持ち上げると支障がでる、クーリングファンとカウリング、インテークパイプを外します。

そして、パンタグラフジャッキを使用して、オイルパン部分を支えます。
直にオイルパンに当てるとオイルパンが傷つきますので、ベニヤ板や木片を使用して均等に力が加わるようにして下さい。
私は、写真のように12mmのベニヤ板2枚と新聞紙2日分を介在させました。
ジャッキはオイルパン左右方向の真ん中にセットします。ずれるとエンジンが傾き、ジャッキアップしても片方のマウントだけ外れなくなります。

ここまでセットしたら、上記1-6のナットを緩めていきます。緩めるだけでまだ外す必要はありません。

順不同ですが、まずは2番(右エンジンブラケット側)のナットから。
ここは結構難関で、オルタネーターを外す必要がありそうです。オルタネーターさえ外せば、写真のようにメガネレンチが入ります。
(オルタネーターを外す際は、必ずバッテリーを切り離してください。)

オルタネーターが外してあれば、1のナットも割と容易に緩めることができると思います。
万が一にもナットを舐めると面倒なので、適切な工具を用いてください。
(写真はパワステポンプも外して作業しているので少し状況が異なるかもしれません。)

3のナットは、長いエクステンションを用いればソケットレンチで緩めることができます。
ソケットは舐めにくい6角のものを用いることをお勧めします。

5のナットは、インテークパイプが外してあれば工具が入ります。

6のナットも3のナットと同様、長いエクステンションを用いればソケットレンチで緩めることができます。

4のナットはコンプレッサーが邪魔で上からアクセスすることができません。
アンダーカバーを外し、下側から工具を入れます。
下からアクセスしてもヒーターホース、ロワホースが邪魔だったので外して作業しました。
(写真はマウント交換後のものです。)

すべてのナットを緩めたら、ジャッキをオイルパンにしっかり当たるまで上げ、エンジンが支えられることを確認してからナットを全て外します。

あとはエンジンを持ち上げますが、この際再度エンジン左右が均等に持ち上がってるか確認してください。
前述したように、左右が均等に持ち上がっていないと片側しか外せなくなる場合があります。

エンジンを持ち上げすぎるとトランスミッションとフロアトンネルが干渉しますので、できるだけ低い位置でマウントを脱着します。 もっとも新しいマウントはゴム部分の厚さがあるので、プラス1cm強程余裕を見て持ち上げると装着が楽になります。

定番の比較写真。もちろん左側が新品です。
一番上の鉄板のすぐ下に逆円錐状の部分がありますが、そこがゴムの部分になります。
約1cm縮んでいました。

古い方がサビサビなのは、かつてのブレーキフルード漏れの影響です。

あとは逆の手順です。
エンジンマウントのブラケット側には位置合わせ用のピンが付いていますので、装着の際にはまずエンジンブラケットにマウントを仮装着してからエンジンを降ろすと位置が合いやすいです。

フレームが錆びているのもかつてのブレーキフルード漏れの影響です。
この後、フレームの錆を落とし、錆止め、塗装をして作業を終了しました。

かかった費用は、エンジンマウント6,000円強*2、ナット、ワッシャー代等で13,000円ほどでした。

さて、交換による効果ですが、期待通り振動は減りました。
ただ、元々あまり気になるような振動が出ていなかったのと、しばらく無振動の車(HE後期)に乗ってたのでさほどの感動はありませんでした。
とりあえず交換したことによる安心感が得られましたので良しとしましょう。